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居住用賃貸建物について

2024.09.27 大阪事務所

 

令和2年度改正で居住用賃貸建物に係る消費税額については仕入税額控除の対象とされないこととなりました。

今回は本制度について説明します。

 

・制度の概要

事業者が支払う消費税は大まかに「1年間で受け取った消費税の合計額」から

「1年間で支払った消費税の合計額」を差し引くことで求められます。

しかし、消費税法において「居住用賃貸建物」と認められた建物については

この「支払った消費税」に算入することが制限される(=払い損になってしまう)こととなります。

・居住用賃貸建物とは?

消費税法では「住宅の貸付けの用に供しないことが明らかな建物以外の税抜1,000万円以上の建物等」と

定義されています。要するに「税抜1,000万円以上の住居」ということですが、

居住用として貸付けないことが明らかな建物(工場、倉庫等)を対象外とし、

それら以外をすべて「居住用賃貸建物」と定義していることがポイントです。

したがって、「同じ建物に住居とテナントが共存している」「購入時点ではどちらの用に供することが決まっていない」

といった場合でも全て居住用賃貸建物に分類されます。(不動産業者が販売用として購入する場合は除かれます。)

また、居住用賃貸建物であるかどうかの判定は建物全体で行うこととされています。

したがって、下記の例のような建物の場合に、

居住用部分のみを抜き取って1,000万円の判定をすることは認められていません。

 

例)税抜2,000万円(税込2,200万円)の5階建て中古建物を購入

(1階~3階は店舗、4階と5階は住宅として使用されている。)

2,000万円×2/5=800万円 とすれば1,000万円未満となりますが、

建物全体では1,000万円以上のため、居住用賃貸建物として取り扱います。

 

居住用賃貸建物と判定されたとしても「居住用部分」と「事業用部分」とが合理的に区分されていれば、

「事業用部分」に関しては消費税を控除することは認められています。

例では、200万円×3/5=120万円は仕入税額控除の対象とすることが出来るということです。

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