特別寄与分
2020.03.27
大阪事務所
相続の現場では、被相続人の介護などをした相続人に対し、その働きぶりを認め、相続財産を多めに渡すことがあります。これを民法では「寄与分」と言います。
ただし、寄与分はあくまで相続人だけに認められているものであり、世間には、亡き夫や仕事で忙しい夫に変わり、妻が夫の親を介護しているケースは珍しくありませんが、夫の妻には寄与分が認められませんでした。
そこで改正民法では、新たに「特別寄与分」という考え方が取り入れられることになりました。
相続人以外の人が介護などを行った場合は、その人にも“特別”に“寄与分”を認めてあげようという考え方であり、相続人に対して寄与に応じた額の金銭を請求することができます。特別寄与者となりえる親族は、相続人を除く6親等内の血族と3親等内の姻族であり、前述の夫の妻はこの中に含まれることになります。
特別寄与料の金額は請求者と相続人との協議により決定されますが、協議が整わない場合には家庭裁判所に申し立てをすることができます。
特別寄与料を受け取った場合、被相続人から特別寄与料を遺贈により取得したものとして相続税が課税されます。また、相続人が支払った特別寄与料の額は相続財産から控除されることとなります。