CRSってご存知ですか?
突然ですが皆さん、「CRS」ってご存知でしょうか?
「CRS」とは、「Common Reporting Standard」の頭文字をとったもので、外国の金融機関に保有する口座を利用した国際的な租税回避を防止するために、経済協力開発機構が策定した、金融口座情報を自動交換する制度です。
国税庁は、2018年10月までに日本の非居住者の金融口座情報について、58か国・地域に89,672件を提供し、日本の居住者に係る金融口座情報について、64か国・地域から550,705件受領したようです。
2019年以降も毎年9月に情報交換を行う予定で、国税庁は、今後この受領した口座情報について、国外送金等調書、国外財産調書、財産債務調書など既に保有している情報と合わせて分析を行い、所得や相続財産の申告漏れを把握した場合には税務調査を行うことを予定しています。
ちなみに、このCRSで前年分の下記情報が海外の税務当局から国税庁に提供されるようです。
・個人情報(氏名、住所、生年月日、居住地国、マイナンバー、口座番号)
・収入情報(利子、配当、株・社債の譲渡代金などの年間受取総額)
・残高情報(預貯金残高、有価証券残高などの口座残高)
日本の税制上、海外の金融口座で得た利息等の収益も、口座名義人が日本の居住者であれば、日本で課税されることになっています。お持ちの海外口座がCRS実施国であった場合には、日本の国税庁に情報が報告されますので、もし税務申告等されていない場合は、税務調査が入る前に自主的に申告されることをお勧めします。
主なCRS加盟国を下記に列挙しておきますので、参考にして下さい。
【主なCRS加盟国】
中国、香港、マカオ、インドネシア、オーストラリア、シンガポール、韓国、スイス、フランス、ドイツ、イギリス、ケイマン諸島、ヴァージン諸島 など