デジタルマネー給与
2023.04.17
高槻事務所
トレンドニュース
キャッシュレス決済の普及や送金サービスの多様化を目的として、2023年4月より、デジタルマネー
での給与支払いが解禁となります。デジタルマネーとは紙幣や硬貨といった実体がなく、デジタルデー
タに変換された通貨として利用可能なものの総称で、電子マネーや仮想通貨がこれにあたります。
メリットとして、多様な制度を有することによる人材確保へのPR効果や、労働者に対する利便性の
向上、振込手数料が低額である点等があげられます。デメリットとして制度の導入から管理含めて事務
負担が生ずる点や、情報の管理リスクが高まる点があります。
デジタル給与制度を利用できるのは労使協定を締結した会社およびデジタル給与での給与支払いを希
望した従業員のみとなります。また、デジタル給与の受け取りにあたっては、資金移動業者の口座のほ
かに銀行口座の登録が必要となります。したがって、諸外国でのデジタルマネー給与制度では銀行口座
を持ちづらい外国人労働者への給与支給に対して利便性が高いとされる制度ですが、日本での現在の内
容では銀行口座を保有している前提での制度利用となるため、この点のメリットは残念ながら無いこと
となります。
なお、従来の現金での給与支払いと同様に、現行法ではデジタルマネーでの支給に対しても源泉所得
税等の徴収は必要となりますので注意が必要です。