インボイス特集その3 ~現在免税事業者の方~
今回は、現在消費税免税事業者の方について、インボイス制度にどう対応すべきかを考えていきます。
①インボイス発行事業者になると消費税の申告義務がある
現在は前々年度の課税売上高が1,000万円以下であれば原則として消費税の申告は免除されます。
しかし、インボイス発行事業者になると、課税売上高が1,000万円以下かどうかに関わらず毎年消費税を
申告する義務があります。課税事業者になるとどの程度消費税の負担が増えるかは事前に検討しておくべきでしょう。
②取引先からインボイスを求められるかどうか
インボイス発行事業者になるべきかどうかの判断基準といえます。インボイスを求める取引先というのは、
規模がある程度大きい(1つの目安として、毎年の課税売上高が5,000万円を超える)事業者(=法人又は事業を行う個人)
と考えてよいでしょう。
そのため、次のような方については、基本的にインボイス発行事業者になる必要はないと考えられます。
・消費者としか取引先がない(例:医者、居住用賃貸マンション経営)
・事業者との取引先はあるが、インボイスを求められるような規模ではない
取引先にインボイスを求められるかどうかは、主要な取引先に事前に確認しておくのが最善でしょう。
こちら側が選択しなかったために、消費税相当分の値引を要求されたり、
最悪の場合取引停止、といったトラブルにも発展しかねません。
また、インボイス発行事業者として消費税を納めることになった場合、原則課税と簡易課税の
2通りの計算方法があり、どちらかを選択する必要があります。当然ながら負担が小さい方を
選択すべきところですが、将来の投資計画も考慮しなければならない場合も少なからずあります。
消費税の負担額は利益の金額と必ずしも連動しないことが多く、計算が複雑な部分もあります。
令和5年10月からの制度開始を見据えて事前に検討しておきたいという方は、お早めにご相談ください。
インボイス制度特集