退職所得の受給に関する申告書
2018.09.21
大阪事務所
多くの会社は、退職金規定などに則り、退職する従業員に退職金を計算し支給しますが、
退職金を支払って「はい、おしまい」になっていませんか?
その際、税務上の手続きとして、退職する従業員に「退職所得の受給に関する申告書」を退職金の支払う前までに提出してもらい、保管しておくことが求められます。
「退職所得の受給に関する申告書」とは、退職する従業員が、所得税法に規定されている事項を申告する際に必要な書類で、その申告書を会社に提出することを「退職所得の受給に関する申告」といいます。
具体的に申告書に記載する内容は、会社側は、退職手当の支払者の住所地名称・法人番号、退職する従業員側は、現住所・氏名・個人番号・その年1月1日現在の住所と自身の退職日や退職区分や勤続年数です。
「退職所得の受給に関する申告書」の上記の項目を記載し、退職する従業員が会社に提出し、申告完了となります。
この書類は会社が保管することになっており、税務署長から特に提出を求められない限り、税務署に提出する必要はありません。
「退職所得の受給に関する申告書」を保管していれば、退職所得に係る源泉所得税は速算表に基づき計算できますが、
提出・保管がなければ、退職所得の金額に関わらず、一律20.42%の源泉徴収をする必要があります。
例えば、10年間勤務した従業員に100万円を支給し、申告書を提出・保管した場合には、源泉所得税は発生しませんが、
失念すると、従業員から返還してもらう場合、204,200円の源泉所得税が発生し、納付する必要があります。
正確な納税及びスムーズな退職のためにも、退職時にはきっちりと「退職所得の受給に関する申告書」を従業員に提出してもらいましょう。