遺産分割協議のやり直しは要注意
2019.09.27
大阪事務所
遺産は預金の2,000万円のみで、Aさんは1,500万円、Bさんは500万円相続する形で遺産分割協議を済ませました。Aさんの経済事情を考慮しての配分でした。
ところが、Aさんが競馬で大穴馬券を当てて経済状況が一変したため、Bさんと遺産分割協議をやり直すことにしました。知り合いの弁護士に相談すると遺産分割協議のやり直しは相続人全員で合意すれば問題ないとのことでした。
結果、Aさんと、Bさんは、それぞれ1,000万円ずつを相続することになりました。
確かに、手続き上は何も問題ありません。ただ、1つ見逃していることがあります。
税金の世界においては、遺産分割協議のやり直しは相続税の取り扱いではなくなります。相続税の計算は初回の遺産分割協議に基づいて計算されるルールになっています。
ですから、今回のケースでは「AさんからBさんへの500万円の贈与」とみなされ贈与税が課税されることになります。
遺産分割協議はワンチャンスと思って慎重に執り行ってください。