もめない相続②
2022.10.11
高槻事務所
相続等の申告とコンサルティング
前回で分割しにくい財産について代償分割という方法があるという事、債務がある場合放棄や限定承認という方法が
あるという事についてお話ししました。今回はもう少し具体的な内容について見ていこうと思います。
◆生前のコミュニケーションが大切
遺産分割というイベントは死後行われる事ですから、家族の話し合いのテーマとしてはどうしても「気まずい」
「死ぬのを待っているのかと思われそう」と、切り出しにくい内容でもあります。
だからと言って、相続人たちには知らせずに遺言書を作成していた場合、相続人にとって想定と違う
内容で困惑してしまう…これではせっかくもめないようにと考えて作成した遺言書が十分に
効果を発揮したとは言えません。
特に「不動産」「事業用資産」などがある場合には生前におおよその方針を話し合って決めておくという
事が重要かと思います。
「不動産」は複数人で分けるには、売却して代金を分けるか、共同で所有するかで大きく異なりますし、
「事業用資産」の場合は、事業そのものを引き継ぐ人以外が受け取ってもどうしようもないという事もあります。
保有する資産のほとんどが「事業用資産」である場合、事業を引き継がない人は何を相続するのか、
バランスをとるために何をするのかを事前に話し合っておくことでスムーズな相続と事業の
引継ぎを行う事ができます。
相続争いなんてうちは関係ないだろうと思っているかもしれませんが、相続争いになったケースの多くは
「うちは仲が良いから」「もめるほどの財産なんて無い」と思っていた家族に起こっています。
無用な争いを起こさない為にも、早め早めの対策・コミュニケーションが大切です。