電子申告義務化
2022.08.15
高槻事務所
トレンドニュース
事業年度開始時に資本金の額等が1億円を超える法人においては、令和2年4月1日以降に開始する事業年度以降、法人税(地方法人税、法人住民税及び事業税を含む)並びに消費税(地方消費税を含む)の申告を電子申告により行わなければなりません。制度開始以降、対象法人は最低1回申告を経験したことになりますが、今回は特に誤りやすい対応例を取り上げます。
・財務諸表や勘定科目内訳書、自社ソフトで未対応の別表を書面やイメージ添付(PDF)で提出した
→財務諸表や勘定科目内訳書は、XMLやCSVなど所定の形式のデータで提出する必要があります。また自社ソフトで未対応の別表は、国税庁提供ソフトに作成済データを取り込みその中で作成する必要があります。
・期中で減資をして資本金1億円以下になったので、当事業年度は義務化の対象でないとした
→電子申告義務化は「期首の」資本金額で判定するため、減資をした事業年度も義務化の対象です。期末の資本金額で判定する外形標準課税と混同しやすいので注意が必要です。
データで提出すべき書類を書面で提出した場合は、無申告扱いとして取り扱われ、最悪の場合青色申告の取消や無申告加算税などのペナルティが課されることがあります。これから事業拡大を目指す中小企業でも、資本金1億円を超えれば年商や従業員数問わず対象となり、「知らなかった」では済まなくなります。対応に時間がかかることが多いため、対象法人は「どのデータを」「誰が(法人か税理士か)」「いつまでに」「どのように」作るのか、事前に税理士に相談し情報共有しておくことが肝要でしょう。