自筆証書遺言保管制度
2021.03.01
高槻事務所
トレンドニュース
令和2年7月10日より開始した自筆証書遺言補完制度について今回ご紹介します。
遺言書は公証人の立ち合いで作成する(公正証書遺言)とは別に、遺言者ご自身で作成する方法があります(自筆証書遺言)。公正証書遺言と比較すると、作成費用を抑えることができたり、作成や撤回をすぐに行えるメリットがあります。
ただし、自宅に保管することになるため改ざんされる可能性があり、厳重に保管した結果見つけられなかったりするデメリットもあります。このデメリットを解消できるようにしたのが今回新設された制度です。
自筆証書遺言の作成までは変わりませんが、法務局に申請することで遺言書を法務局で保管してもらえるようになります。この制度を利用すると遺言の改ざんや紛失の危険がなくなるため、より手軽で自由に遺言を残すことができるようになります。また、自筆証書遺言は遺言者の死亡後家庭裁判所での検認が必要となりますが、法務局へ保管するとその検認も必要なくなるため、相続者にとっても速やかに相続手続きができるメリットがあります。
注意点としては、公正証書遺言よりも低くはありますが多少の手数料が発生します。また、遺言者本人からの申請が必要なため、遺言者が入院したから代わりに申請に行くということができません。それぞれの特徴を認識したうえで遺言の残し方を考えていきましょう。