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クリエイターの消費税率引き上げによる影響

2019.03.29 大阪事務所 トレンドニュース

 

消費税率の引き上げ

 2019年10月1日よりいよいよ消費税率が8%から10%に引き上げられます。今回の増税でクリエイターの皆様の消費税の納税額がどれほど変わってくるかを検討します。

 

2種類の計算方法

 消費税の計算方法は大きく分けて2つあります。本則課税制度と簡易課税制度です。

 本則課税制度とは、原則的な計算方法で、預かった消費税額から支払った消費税額を控除して納税額を求める計算方法です。

 簡易課税制度とは、預かった消費税額にみなし仕入率(区分された業種ごとに定められた率)を乗じて支払った消費税額を簡便的に求める計算方法です。

※課税事業者となるのは前々年度の課税売上高が1,000万円を超える場合です

※簡易課税制度を選択できるのは前々年度の課税売上高が5,000万円以下である場合です

 

納税額への影響

 本則課税制度

消費税率

5%

8%

10%

売上高

1,200万円

(消費税額60万円)

1,200万円

(消費税額96万円)

1,200万円

(消費税額120万円)

経費

600万円

(消費税額30万円)

600万円

(消費税額48万円)

600万円

(消費税額60万円)

消費税納税額

30万円

48万円

60万円

 ②簡易課税制度~消費税を転嫁した場合~

消費税率

5%

8%

10%

売上高

1,200万円

(消費税額60万円)

1,200万円

(消費税額96万円)

1,200万円

(消費税額120万円)

みなし仕入率

70%

70%

70%

消費税納税額

18万円

28.8万円

36万円

 ③簡易課税制度~消費税を転嫁しない場合~

消費税率

5%

8%

10%

売上高

1,200万円(税込)

1,200万円(税込)

1,200万円(税込)

みなし仕入率

70%

70%

70%

消費税納税額

17.1万円

26.6万円

32.7万円

 

まとめ

 どちらの計算方法を採用しても、消費税率が引き上げられると納税者の納税額も増加します。ただし、クリエイターの場合は売上に対する経費の割合がそこまで高くならないため、簡易課税制度が有利になるケースがほとんどです。

 また、同人作家の場合、消費税が上がってもイベントでの販売価格に乗せにくく(500円、1,000円に設定していることが多い)、その場合、上記③の通り②と比べて消費税納税額は少なくなりますが、消費税増税分が実質的な売上高の減少となり、利益減少に直結するでしょう。

 いずれにしても、クリエイターの皆さんの負担は増し、その影響は決して小さくはないように思えます。

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