退職金制度を考えよう
誰しもいつかは会社を辞める時が来ます。経営者の立場からすれば、従業員に対して退職金を払う
準備をしておきたいものです。しかし、多くの場合まとまったお金が必要になります。
最も楽な方法としては、毎年会社にお金を積み立てることが考えられますが、
他にも様々な制度があります。
1. 退職一時金制度
方法:予め会社にお金を積み立てておき、社内規程で勤続年数や役職に応じて支給する
メリット:柔軟な制度設計が可能
デメリット:中途退職が同時に発生すると資金繰りが悪化することもある
2. 確定給付年金制度
方法:会社が生命保険会社等に掛金を拠出して、年金資金の管理・運用も行う
メリット:掛金は損金算入できる
デメリット:一定以上の給付金を維持しなければならないため、運用が失敗した場合は
会社が追加で補填しなければならない
3. 確定拠出年金制度
方法:会社は従業員から掛金を天引きして生命保険会社等に拠出し、年金資金の管理・
運用は従業員が行う
メリット:会社の負担は最小限の手数料のみで、掛け金を負担する必要がない
デメリット:退職金は従業員の運用次第で決まるため、運用に失敗した従業員は掛金より
も少ない支給額になることがある
4. 退職金共済制度
方法:会社負担で掛金を拠出し、掛金に応じた退職金は共済機構から直接従業員に支払われる
メリット:手続きが簡単
デメリット:退職金は会社を通らないため、懲戒処分による減額や不支給を会社の
裁量で選択することができない
どのような方法を採用するにしても、今あるお金を今使わず将来のために蓄えることになるため、
しっかりとした制度設計と従業員の理解も必要になるでしょう。
メリット・デメリットを踏まえて自社に最適な制度が何かを考えましょう。