資産管理会社
資産管理会社とは不動産や有価証券等の資産を保有、管理することを目的とした会社をいい、
節税や相続対策等のために活用されています。
資産管理会社は主に保有型、管理型、サブリース型に分けられます。
・保有型
個人所有の資産を法人に保有させる形式。
・管理型
個人所有の資産を法人に管理させる形式。不動産管理が一般的です。
・サブリース型
個人資産を第三者に転貸する形式。
各類型によって節税効果等の面で違いが出てきますが、以下では、節税に関して解説いたします。
所得税は累進課税制度といい、所得に比例して税率が5%から45%と上昇し、住民税を含めると
その税率は15%から55%となります。
これに対し、法人税の税率は15%から23.2%であり、事業税等を含めた実効税率でも35%以内となります。
この税率のギャップを活用し、その資産から生ずる収益に対する課税を所得税から法人税と
することで、節税を図ることができます。
また、所得税に関しては上記の通り、所得に対して税負担が重くなるため、一人で多額の所得を得るよりも、
複数人で所得を分散させる方がより税負担が少なります。
したがって、資産管理会社に蓄積される収益を給与といった形で複数人に支給することで、
税負担を軽減することもできます。
なお、給与の支給を受ける場合には給与所得控除といった所得控除をそれぞれ支給者ごとに
受けられるといった副次的なメリットもあります。
一般的に保有型が節税効果が高いとされていますが、法人に保有させる際に税負担が生じたり、
名義を変更するための司法書士等への報酬、契約名義の変更等、金銭的にも事務的にも
負担が大きくなることがあります。
また、資産管理会社を活用する際には将来を見据えて、法人資産が増えると株価も高くなる等の
相続税への影響も考慮する必要があるため、総合的にみて判断するようにしましょう。