法人向け保険の取り扱い
2019年2月13日に国税庁から法人向け保険に対する通達改正のアナウンスがなされ、一部の保険は2019年6月7日時点に
おいて新たに加入出来ない状態です。
改正後の通達施行後、募集が再開される見込みですが、法人向け保険の取扱いは税務上どのように変わるのでしょうか?
改正後通達の大きなポイントは加入した保険の「ピーク時の返戻率」で税務上の取扱いが大きく異なるということです。
現状想定される税務上の取扱いを下記表にまとめました。
ピーク時返戻率 |
期間当初から4割 |
7.5割期間経過まで |
それ以降 |
50%以下 |
期間に関わらず全額損金 |
||
50%超70%以下 |
60%損金(4割資産) |
全額損金 |
全額損金+資産取り崩し |
70%超85%以下 |
40%損金(6割資産) |
全額損金 |
全額損金+資産取り崩し |
ピーク時返戻率 |
期間当初~返戻率のピーク |
~返戻金額のピーク |
それ以降 |
85%超 |
損金額= 支払保険料×(100(%)-(ピーク時返戻率×9割)) |
全額損金 |
全額損金 +資産取り崩し |
ただし、85%超の保険に関しては
・解約返戻金の増加割合が年間保険料の70%超となっている場合は返戻率のピーク経過後も、引続き「期間当初~返戻率のピーク」までの処理を継続することに注意が必要です。
○例:保険料1,000万円 返戻率のピーク:95%
:×1年の解約返戻金…5,600万円
:×2年の解約返戻金…6,400万円
この場合、解約返戻金増加割合は (6,400-5,600)÷1,000×100(%)=80(%)となります。
したがって、損金となる金額は
1,000万円×(100(%)-(95%×0.9))=145,000円となります。
あくまで現状の取扱いであり、改正後の通達は2019年7月を目途に施行される予定です。
最終的な税務上の取扱いが確定しましたら、再度こちらでご報告します。