法人税申告所得金額9年連続増加(過去最高)
10月、国税庁が「平成30事務年度 法人税等の申告(課税)事績の概要」を発表しました。
これによると、平成30年事務年度の法人数は313万法人と、平成23事務年度以降、毎年増加しています。法人税の申告件数は292万9千件(対前年比+1.2%)で、その申告所得金額の総額は73兆3,865億円と前年度に比べて2兆6,188億円(3.7%)の増加、9年連続の増加となり過去最高となりました。申告税額の総額も、12兆7,922億円と前年と比べて2.6%増加しています。
また、黒字申告の割合も34.7%、前年度に比べ0.5ポイント上昇し、8年連続の上昇となりました。ただし、これは残りの65.3%の法人が赤字となっているわけではありません。今年度は黒字であったにもかかわらず、繰越欠損金(過去の赤字)控除により、所得金額が0円となっているということもあり、これらの法人が黒字申告法人となっていないのです。そのため、実際の平成30年事務年度が黒字であった法人の割合はもっと高いと推測されます。
e-Tax利用状況等は、平成30年度の法人税の申告のe-Tax利用件数は226万8千件(対前年比+6.6%)、e-Tax利用率は84.3%(対前年比+4.3%)と確実に普及してきています。国税庁ではより多くの納税者の方々にe-Taxを利用してもらうために、利便性向上施策として、(1)提出情報等のスリム化、(2)データ形式の柔軟化、(3)提出方法の拡充、(4)提出先の一元化、(5)認証手続の簡便化等、利便性の向上を図る施策を順次実施するとしています。
経済社会のICT化等が進展する中、税務手続においても、ICTの活用を推進し、データの円滑な利用を進めることにより、社会全体のコスト削減及び企業の生産性向上を図ることが重要であることから、平成30年度税制改正により、「電子情報処理組織による申告の特例」が創設され、令和2年4月1日以後に開始する事業年度から「大法人」は電子申告が義務化されることになりました。これによって、e-Taxの利用率はさらに上昇する見込みです。