融資を受けるタイミング
融資をいつ受けるべきか?
無借金経営を経営方針としない限りは経営者にとって永遠のテーマとも言えます。
コロナ禍では実質ゼロ金利で融資を受けられるという話もありましたが、
日銀の金融緩和政策の影響もあってか、最近ではどの金融機関でも金利が上昇傾向にあります。
これまで何となくのタイミングで融資を受けていた事業者の方も、改めて考える機会かと思われます。
1. 金融機関のホンネを理解する
大前提として、まず実績がないと金融機関は相手にしてくれません。ここでいう実績とは次のことを言います。
・利益を継続的に上げている
・今は利益が上がっていないが、具体的な計画を実行することにより利益が上がる見込み
・手元資金がそれなりにある
・融資を受けてある程度の期間滞りなく返済できている
要するに、金融機関は倒産リスクの低い事業者に対して積極的に支援したいのです。
住宅ローンの審査を思い浮かべてほしいのですが、
通常は年収や健康状態、買おうとする家の資産価値などが項目になります。
なぜ審査項目になるかというと、いずれも「きちんと返済できるか」という視点に立っているからです。
事業融資でもこの視点は変わりません。
単に「お金がないから借りたい」だけでは
「返済できるか自信はないけれどもお金を貸してほしい」と金融機関に言っているのと同じようなものです。
2. どういうタイミングがよいのか?
1.のホンネを理解すれば、業績が好調なときの方がよい条件で融資を受けられることがわかるかと思います。
業績がよいと融資を受ける理由はいくらでもあります。
例としては次のものが挙げられます。
・取引先が増えてきたので、運転資金も確保する必要がある
・設備投資をしたい
・従業員を増やすために採用活動費を増やしたい
ただし、いきなり金融機関に赴いて計画を口頭で抽象的に説明するだけでは、
「では貸しましょう」とはまずなりません。
そのためには、次の書類を準備して具体的な数字に落とし込んで説明できるようにする必要があります。
・直近期の決算書や進行期の残高試算表
・事業計画書(損益、資金繰り両方の観点から)
3. 創業融資は例外
ある程度実績がないと借りられないのであれば、
「では創業するときは自己資金で賄わないと誰も相手にしてくれないのか?」と思うかもしれません。
しかし、創業融資は例外です。
中でも日本政策金融公庫は創業から2期以内であれば、無担保・無保証の上、通常よりも優遇金利で融資を受けられます。
もちろん、事業計画書の準備は必要になりますが、担保や自己資金が潤沢にあるなどの事情がない限りは、
第一に検討すべき先と言えるでしょう。
4. 実績を残せたら借り換えも念頭に
融資の条件によっては、定期預金にある程度の金額の預入れが必要、金利が完済まで固定されている、
保証料が金利に上乗せされている、といったことがあります。
融資を受けた時点では何の問題もなかったとしても、
時間が経てばよりよい条件で融資を受けられる金融機関が他に出てくる場合があります。
業績が好調な期間が続き、返済期間も長くなってきて、次の融資を検討することになったら、
メインバンクだけではなく、規模の似た金融機関にも声を掛けることも考えるべきです。
というのも、金融機関にもノルマはあるので、
成績を上げようと必死になる(=よい条件を出そうとする)インセンティブが働くからです。
ただし、借り換えにも手数料や保証料がかかる上、
それまでにはなかった条件を新たに提示されることもあります。
金利や返済期間だけで損得を考えないようにしましょう。
「金融機関は晴れの日に傘を貸して雨の日に取り上げる」という格言があります。
一見言葉はひどいですが、金融機関は慈善団体ではなく営利企業なので、
至極当たり前のことを言っているにすぎません。
事業規模を拡大していくためには資金調達の目途を立てることが不可欠である以上、
金融機関のホンネを理解した上で、うまく付き合っていくことが必要です。
