相続に関する失敗事例
相続に関して、「税金」というものは大きなカテゴリではありますが、これにばかり目を向けすぎた結果、
手痛い失敗を招いてしまうという事もあります。今回はそんな失敗事例を紹介したいと思います。
・「節税」しすぎた結果資金難に
「空いている土地に建物を建築したら相続税の節税になりますよ」といった謳い文句でいろいろな提案を受け、
節税になるならと建築をしたは良いが、納税資金不足に陥ったケース
不動産建築が投資として成功するかはさておき、相続税の節税になるというケースは確かにあります。
しかし、建築代金で手許現金がなくなり、相続財産のほとんどが不動産となってしまった場合、相続税の納税は
相続人の手元資金で行う必要があります。高額な不動産のみを相続した場合納税資金に困るといったケースがあります。
この場合でも、節税効果もしっかりあり、収益不動産としてもきちんとした収益を生んでいればまだ良いですが、
投資として成功かどうかは十年、二十年後にならないとわかりません。事前の納税資金準備も怠らないようにしましょう。
・目先の税額にとらわれ将来の税額が高額に
相続税は、多くの場合2回1セットという事ができます。亡くなられた方とその配偶者の2回です。
1回目については、配偶者がご存命ですから、配偶者控除という特例を使うことができます。
しかし、1回目の税額を抑えるためにほとんどの財産を配偶者が相続するといった選択をした場合、
2回目の相続では、その配偶者受け継いだ財産と自身の財産が相続税の対象となり、高額になってしまう
というケースです。
1回目の相続の段階で将来発生する2回目の相続のことも想定し、いくらかの財産を子に相続させることで、
1回目2回目合計で考えた場合に有利になるという事もあります。目先の税額に惑わされないようご注意ください。