年末駆け込み節税
個人事業主は節税対策を年内までにする必要があります。年末でも行える節税対策として、
以下のものがあげられます。
《iDeCo》
iDeCoは、私的年金制度の一つで、任意で掛金を決定し、積み立てていくことで、
60歳以降に一時金を受け取ることができます。
支払った掛金は全額が所得控除の対象となり、所得税と住民税が軽減されます。
さらに積み立てたお金の運用により得た利益は課税されず、一時金の受取も1,500万円まで
課税されません。
掛金には月額、年額ともに上限金額がありますので、早いうちから加入しておくと
節税効果が高くなります。
《小規模企業共済》
小規模企業共済は、個人事業主などのための積み立てによる退職金制度です。
任意で掛金を決定でき、その全額が所得控除の対象となります。
共済金の受け取り時も退職所得扱いになり、税制優遇されています。
掛金の前納が可能で、翌年分の掛金を一括で支払うことで、最大84万円の所得控除を
受けることができます。
《少額の減価償却資産の購入》
少額減価償却資産とは、取得時の価格が10万円以上30万円未満の固定資産を言います。
青色申告をしている個人事業主の場合、これらの固定資産は一括で全額を経費として
計上することができます。
PC等の30万円未満の資産の購入を予定している場合は、業績に合わせて
年内に購入するか検討しましょう。
《短期前払費用の支払》
短期前払費用とは、前払費用のうち支払った日から1年以内に役務の提供を受けるものを言います。
その中で、等量等質であり、金額的重要性の低いものは、特例として、
支払時に一括で経費として計上できます。
保険料や支払家賃、賃借料などが該当し、翌年分を前払いすることで、支払った年度で
大きな節税効果を得ることができます。
ただし、一度この特例を適用した場合、今後も継続して適用しなければならない点に注意が必要です。
《ふるさと納税》
ふるさと納税を行うことで、寄付した金額から2千円を差し引いた全額が所得控除の対象となり、
所得税と住民税が軽減されます。
さらに金額に合わせて各自治体から返礼品を受け取ることができます。
控除される金額には上限がありますので、1年間の所得を確認し、寄付金額を検討する必要があります。
12月31日までに申し込みと入金を完了させることで、年内で税額控除を受けることができます。
これらの方法は、どれもキャッシュアウトを伴いますので、資金の状況を確認して、
自分に合った節税を行いましょう。