住宅ローン控除の種類
住宅を購入した人の多くがすることになるのが、住宅ローン控除の確定申告です。
令和6年以降の入居の場合、住宅の種類や子育て世帯かどうかにより、控除の対象となる借入の上限額が変わりました。
また、必要となる書類も異なるため、ご自身の場合はどれに当てはまるかを考える必要があります。
注) 以下は令和7年に入居した場合の要件です。
1. 控除額
住宅ローンの年末残高×0.7%
ただし、住宅ローンの年末残高には後述する上限額があります。
また、住宅の購入額以上のローンを組んだ場合や補助金交付がある場合は控除額が少なくなることがあります。
2. 共通要件
・住宅の取得日から6カ月以内に入居し、控除年の12月31日まで住んでいること
・床面積が50㎡以上かつ合計所得金額が2,000万円以下であること
(ただし、床面積が40㎡以上50㎡未満の場合は合計所得金額が1,000万円以下)
・10年以上の住宅ローンであること
・入居年とその前2年、その後ろ3年で一定の譲渡所得の特例を受けていないこと
・住宅の取得要因が贈与や生計一親族等からの購入でないこと
3. 個別要件と住宅ローンの年末残高上限額
(1) 新築住宅又は買取再販住宅の場合 控除期間は13年
・認定長期優良住宅又は認定低炭素住宅…上限額 4,500万円(5,000万円)
・ZEH水準省エネ住宅…上限額 3,500万円(4,500万円)
・省エネ基準適合住宅…上限額 3,000万円(3,500万円)
※子育て世帯・若者夫婦世帯(夫婦のどちらかが40歳未満又は19歳未満の子を有する世帯)
の場合は、上限額がカッコ内の金額に引き上げられます。
・上記のいずれにも該当しない場合
…買取再販住宅に該当すれば上限額 2,000万円、控除期間 10年として適用されますが、
そうでない場合は住宅ローン控除を受けることができません。
(2) 既存住宅の場合 控除期間は10年
・認定長期優良住宅、認定低炭素住宅、ZEH水準省エネ住宅、省エネ基準適合住宅
のいずれかに該当する場合…上限額 3,000万円
・上記のいずれにも該当しない場合…上限額 2,000万円
※子育て世帯・若者夫婦世帯による上限額の上乗せ措置はありません。
4. 必要書類
(1) どのパターンでも必要な書類
・住宅ローンの年末残高証明書
・家屋及び土地の登記事項証明書
・家屋及び土地の売買契約書、工事請負契約書
(2) 該当する場合のみ必要な書類
・補助金を受けた場合は決定通知書
・住宅取得等資金贈与を受けた場合はその贈与に係る贈与税申告書
・買取再販住宅の場合は耐震基準に適合していることを示す一定の証明書と増改築等
工事証明書
(3) 住宅の種類に応じて必要な書類
・認定長期優良住宅、認定低炭素住宅
自治体が発行する認定通知書と住宅用家屋証明書
・ZEH水準省エネ住宅
建築士等が発行する住宅省エネルギー性能証明書又は建設住宅性能評価書
(断熱等性能等級が5以上又は一次エネルギー消費量等級が6以上)
・省エネ基準適合住宅
建築士等が発行する住宅省エネルギー性能証明書又は建設住宅性能評価書
(断熱等性能等級が4以上又は一次エネルギー消費量等級が4以上)
住宅の種類によって必要な書類が異なりますし、
証明書の発行は通常有償である上に、発行までに時間がかかるものもあります。
申告する段になって、手元にないことに気がついても申告期限までに発行できない、というケースがあります。
不動産業者から発行の要否を聞かれることも多いですが、発行費用を惜しんで取得しなかった結果、
上限額が少なくなって損することもありえます。
契約までにどの種類に該当するのかはしっかりと不動産業者に確認しておくべきかと考えます。