国税納付書の送付廃止
これまでは申告の時期になると、税務署から申告のお知らせとともに納付書が送られてくる、
というのが通例でした。しかし、国税庁では、「あらゆる税務手続きが税務署に行かずにできる社会」
の実現に向けて、キャッシュレス納付の利用拡大に取り組んでおり、その一環として、
令和6年5月以降に送付する分(具体的には令和6年3月期決算の法人)から、
一定の条件を満たす事業者に対しては納付書の事前送付を取りやめることになっています。
主な条件としては、次の通りです。
・e-Taxにより申告書を提出している法人
・ダイレクト納付や振替納税など、納付書を使用しない手段で納付している法人、個人
なお、源泉所得税の納付書や予定申告については引き続き送付され、確定申告分だけが
送られてこなくなる、とのことです。
個人事業主の場合、振替納税が普及して久しく、多くの方が利用されていると思われるので、
あまり影響を受けることはないでしょうが、法人の場合、「税理士に電子申告依頼しているが、
納税は納付書で行っている」というケースが多いと思われます。
しかし、こうしたケースでは納付書が送られてこなくなることになります。
一方、最近では金融機関の働き方改革やコスト削減策の一環として、窓口が縮小されたり、
支店が統合されたりする、という動きも加速しており、税金に限らず、
「振込するのに銀行まで行くのが遠くなった、又は混んでいる」という場面も増えてくると予想されます。
また、地方税(法人都道府県民税や法人市町村民税)においても納付書を原則送らないとしている
自治体が増えてきています。これを機に、「銀行に行かなくても納付ができる」方法を
導入するのは一理あると思われます。
いずれの納付方法も事前準備が必要となります。
どのような納付方法があり、どのような手続きが必要かは、別の回で書くこととします。