事業をするなら法人か?個人か?
事業を行う際に、個人事業でスタートするか株式会社などの法人を設立してスタートするか、迷われる方も
多いかと思います。
今回は、個人事業と法人での事業との違いや、有利不利をお伝えしたいと思います。
①開業のしやすさ・開業の費用について
個人で事業を開始する場合には、特に費用はかかりません。開業した、と決めた日が開業日になります。
法務局等への届出や申請は特に不要です。
税務署へは、開業届を提出してください。屋号(○○商店、○○工務店など)は名乗っても良いですし、
無くても構いません。
銀行の通帳は、屋号付きのものを開設しても良いですが、屋号の付いた通帳が無くても
事業に支障がなければ、個人氏名の通帳でも問題ありません。
経理処置の都合上、生活費用口座と事業用口座は分けておいた方が良いでしょう。
法人で事業を開始する場合には、法務局への登録免許税の支払いや、定款の認証費用が必要になります。
設立を決めたとして、書類作成や設立登記が完了するまでに2週間~1カ月程度は必要となります。
また、法人の銀行口座は設立登記が完了してからの開設になります。
なお、法人名と屋号は別にすることもできますので、法人の名称と別に事業や店舗ごとに屋号
(店舗名)を使うことは自由です。
②税金の申告について
個人で事業を行う場合には、所得税の申告が必要になります。事業による所得だけでなく、不動産の収入や
年金等があれば合算して申告することになります。
事業の所得については、税率は最も低いところで15%(所得税5%+住民税10%)の課税になります。
それに対して法人税は、約30%の税率になりますので、利益(所得)が少ないうちは
所得税の方が税金は安いといえるでしょう。
③銀行や取引先からの信用力
現在は資本金が1円でも株式会社を設立できますので、個人よりも株式会社の方が財政的な信用力があるとは
いえないかと思います。銀行も、法人か個人か、というよりは、事業自体の収益性や会社や代表者の
資産的背景で判断するといえるでしょう。
ただし、一般の消費者からすれば、法人で事業を営んでいる方が、しっかりした会社(店)いうイメージは
今もあるかもしれません。例えば、インターネットで販売する際には、購入者からすれば、
振込口座が個人ではなく法人の方が、一定の信頼感があるのかもしれません。