税理士法人イースリーパートナーズ

MENU

トピックス

資産管理会社の活用例

2021.10.11 高槻事務所

 収益不動産などの資産を保有する方が、節税のために、資産管理会社を設立することがあります。資産管理会社を

活用することで、実際にどれくらいの節税になるのでしょうか。簡単な事例を使いながら解説致します。

 

 まず下記のようなときの、夫の税金をみていきます。

・家賃収入利益 … 年間2,000万円

・家族 … 夫婦2人

・不動産は夫が所有している

 このとき、所得税・住民税・事業税を計算すると約750万円となります。

 

 資産管理会社を設立して、この収益不動産を資産管理会社に売ったとしたらどうなるでしょうか。

 

〈事例1〉資産管理会社から夫に給与を支払う

入居人からの家賃は資産管理会社が受け取ります。そこから夫へ給与を支払います。

夫に給与1,000万円を支払ったとすると、下記のようになります。

   ・法人の利益 … 1,000万円

   ・夫の給与 … 1,000万円

 このとき資産管理会社が支払う法人税等は約300万円。夫の所得税・住民税は約190万円。

合わせて約490万円となりました。

 

〈事例2〉資産管理会社から夫と妻に給与を支払う

 夫婦それぞれに1,000万円を支払ったとすると、下記のようになります。

  ・法人の利益 … 0円

   ・夫の給与 … 1,000万円

   ・妻の給与 … 1,000万円

 法人は利益が0円でも、地方税の均等割を支払う必要があります。高槻市であれば、このとき資産管理会社が

支払う法人税等は約8万円。夫婦が支払う所得税・住民税は2人で約370万円。合わせて約380万円となりました。

 

 以上のように、収益不動産を夫の所有から、資産管理会社の保有へ変えることで税負担が小さくなります。

具体的な計算式は省きますが、節税となる大きな理由は、所得が分散されるためです。所得税は累進課税であるため、

一人が得る所得が小さくなるほど税率が下がります。さらに給与を受け取った人それぞれに

各種所得控除を適用することができます。

 

 今回は簡単に考えるために、所得や利益に対する税金だけを見ていますが、実際には社会保険料や、資産管理会社の

不動産取得税なども考える必要があります。また、給与として支払う額も仕事内容や勤務実態に合わせて

決定しなければいけません。そのため、節税のためには、もう少し複雑な計算をする必要がありますが、

不動産収入は年間収入の予測が立てやすく、

節税のシミュレーションが行いやすいです。

 

 相続税対策として、夫ではなく子が給与を受け取ることで、子の世代へと資産を移していくことも可能です。

また夫ではなく子が会社を設立することでも、会社に貯まっていく利益を子の世代へ移すこともできます。

資産管理会社はこの他にも様々な活用方法が考えられ、各人に合わせて柔軟に活用することができます。

 

 現在、個人で収益不動産を所有している場合、資産管理会社の活用を是非一度、ご検討下さい。

タグ一覧