失敗店舗①立地による運命の分かれ道
個人顧客をターゲットとする店舗をオープンする際に最も重視しなければならないポイントが「立地=どこに出店すべきか」です。
もちろん好立地=家賃等の負担が重くなる、ことから、店舗の収支予測と照らして妥当な選択肢なのかどうか、を判断しなければならず、
極めて悩ましい部分ではあります。
店舗出店時の資金調達について、私が承ってきたご相談の中には下記のようなことがありました。
①心斎橋で飲食店をオープンする際に、2つの候補立地があった。
1つは商店街内、もう1つはそこから1本路地に5m程入った場所。
同じ面積ですが、家賃が3倍、保証金などもそれ相当に前者が高額であった。資金調達を金融機関に打診するにあたり、自己資金やビジネスモデルから鑑みて、
やはり後者の店舗でなければ負担が重すぎるのでは、との判断に至った。
②テイクアウトも出来る洋食店をオープンさせたい。自己資金も余裕があり、事業計画も評価が高く金融機関からの資金調達も
十分可能である状況であったが、人通りの多いロードサイドではなく、経営者の自宅から近い住宅街の居抜き店舗を
選択された。
①も②も、当初計画された売上予測を大きく下回る結果となってしまいましたが、
それぞれ意味合いが異なります。
①は、もし資金調達に成功して商店街内の店舗を選択出来たとしても、集客の見込が低い中であれば
やはり負担が大きくのしかかり、売上はもっと多かったものの利益が予想よりも低くなる可能性があろうかと考えます。
②については、集客の見込が高いと評価された事業計画を実現するには、アグレッシブに好立地の店舗にトライすべきで
あったのだろうと考えます。
店舗の事業計画は「集客の見込」が肝となります。
この予測については客観意見を大いに取り入れて素直にシンプルに判断して下さい。
収入予測が明確に出れば、それに対する原価や経費、借金返済の負担などをシミュレーションすることは
容易です。
立地の選択は店舗の運命を左右しますが、必ずしも人通りが多い場所=集客が出来る店舗、とは
言えないので、ご自身がどのような店舗経営の目標を掲げるのかをしっかり計画に落とし込んでみて
頂ければと思います。