含み益のある有価証券の相続
2025.04.28
高槻事務所
相続等の申告とコンサルティング
有価証券を相続する際の評価額は基本的に、課税時期(相続または遺贈の場合は被相続人の死亡の日、
贈与の場合は贈与により財産を取得した日)の最終価格と
下記イ~ハのうち最も低い金額で評価することが基本となります
イ 課税時期の属する月の毎日の最終価格の月平均額
ロ 課税時期の属する月の前月の毎日の最終価格の月平均額
ハ 課税時期の属する月の前々月の毎日の最終価格の月平均額
長年保有されている場合などで、取得時から大きくその評価額が上昇しているといった場合、
①「売却→相続」というケースと
②「相続→売却」というケースでは手元に残る現金に差が出ることが考えられます
例)取得価額100 相続時時価 500 相続税率30%
※所得税等は概算で20%とします
①のケース
相続前に売却:500-100=400に所得税等約20%で80が発生 → 420が残金
420に対して相続税30%が課税 → 126の相続税で、手許残は294
②のケース
相続時の時価500に相続税30% → 150
売却時 500-100=400に所得税等約20%で80が発生
500-150-80=270が手許残となります
これらはあくまでも一例におけるシミュレーションです。
売却のタイミングによっては、相続税の取得費加算の特例等があり、有利不利が逆転することもあります。
このあたりについては個別事情が大きく影響するので、
現状把握もかねてシミュレーションしてみてはいかがでしょうか。
今回は大まかに、事前に一度含み益を清算するということが
相続税の節税の一つとなる事もあるということを知っていただければと思います。