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事業承継において医療法人を買い取る場合の注意点

2026.06.01
開業をお考えの方 事業承継でお困りの方

事業承継で医療法人を引き継ぐ場合、個人医院を引き継ぐ場合とは手続きや税務が異なります。各種届出のタイミングを踏まえ、承継日をいつにするかを早めに決めておきましょう。

医療法人を買い取る場合には、管理者・社員・理事・理事長の交代を行うのが一般的です。また、譲り受けた医療法人の過去の行為について、譲り受けた側が全ての責任を負うことにも、留意しておかなければなりません。

 

1. 出資持分あり医療法人を買い取る場合

平成19年3月31日以前に設立された出資持分あり医療法人を買い取る場合には、まず出資持分を買い取るか、もしくは出資者に対して出資持分を払い戻す必要があります。

買い取る場合は譲受人が譲渡対価を譲渡人に支払います。一方、払戻しの場合は医療法人が出資者へ出資持分相当額を支払うという流れです。

そしてその出資持分は、利益の積立額に比例して財産としての価額が大きくなるので、その医院の経営が好調で黒字経営が長いほど払い戻す金額も大きくなります。譲渡対価や出資持分の払戻し金額は、資産負債の財産価値をもとに決められるので、専門家に相談しながら進めることが重要です。

 

出資持分が高額になっており、払い戻すのが難しい場合には、他の処理方法を検討する必要があります。出資持分の払戻し以外の持分の処理方法は、「出資持分を放棄してもらう」「持分のない医療法人に移行する」の2つですが、どちらも承継前に実施する必要があります。

上記2つのいずれにしても、医療法人からすれば「出資持分が放棄された(債務の免除を受けた)」という経済的利益が発生するため、原則個人にのみ課される贈与税が、例外的に医療法人に課されます。なお、この場合において、期限付きですが一定の要件を満たす場合には、その贈与税の納税猶予・免除の特例があります。

 

2. 出資持分なし医療法人を買い取る場合

平成19年4月以後に設立された出資持分なし医療法人とは、ほとんどが基金拠出型医療法人であり、出資持分の代わりに、基金を買い取ることになります。この基金は、拠出した金額が上限となります。そこで、実務的には、買取金額相当を理事長に退職金として支払うことが一般的です。医療法人は銀行や譲受人から借り入れをして退職金を支払い、運営しながらその返済していくことになります。

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