テナント契約の基礎知識
歯科医院の新規開業では、テナント契約を締結するのが一般的です。不動産業界特有の用語や慣習もありますので、基礎知識として、申し込み→契約→引渡しの流れをご紹介します。
○申し込み
申し込みとは、簡単に言うと「この物件を借りたい」という意思をオーナーに伝える手続きです。内覧を済ませ、その物件で開業したいと思ったら、まずは申し込みをします。この時点ではまだ賃貸契約は成立しておらず、契約前であればキャンセルも可能です。他の希望者がいた場合や条件交渉が整わなかった場合など、別の物件で検討しなおすケースもあります。
一般的に、申し込みの際には申込金を支払う必要があります。一時的に物件を仮押さえするための預け金のような性質があり、そのまま契約が成立すれば、賃料などの初期費用に充てられます。申込をキャンセルした場合は返金されないケースもありますので、返金不可の金額を少なくしてもらうよう交渉するとよいでしょう。
申し込みの時点で、賃料や内装工事費がおおよそ見えてくるので、資金計画を作成し、契約までの間(1~3か月が目安)に、融資の具体的な金額や条件等の交渉を金融機関と進めていきます。
○契約
その物件を正式に借りるための手続きです。契約パターンは大きく分けて2種類で、原則的に自動更新される「普通借家契約」と、契約期間終了時のオーナーの意向によっては更新が拒否される「定期借家契約」があります。定期借家契約は、借主(院長)の都合で解約する場合には違約金も発生するため、オーナー有利な契約形態です。契約内容を十分に確認し、定期借家契約はできるだけ避けた方がよいでしょう。
契約を締結するのは、金融機関からの融資の目途がついてからが理想ですが、他の希望者がいる場合などは、急いで契約する必要がある場合もあります。そのようなときには、融資が受けられなかった場合に契約を白紙に戻せる「融資特約」を契約に盛り込むよう交渉することをおすすめします。
○引渡し
物件の鍵の受渡し等を行います。一般的には、引渡し日から賃料が発生し、内装工事の着工も引渡し日以降になります。開業予定日から逆算し、余裕をもって内装工事が完了するように、事前にスケジュールを組んで動くことが重要です。
