代替わりの際に土地・建物の名義をどうすべきか
医院の代替わりの際、医院の土地・建物の名義はどうするべきでしょうか。テナントであれば、賃借人を先代から後継者に変更するだけで良いですが、先代が土地・建物を所有していた場合には、いくつか方法があります。相続のことも含めて考えていきます。
(1)先代から賃借する方法
名義は先代のままで、後継者が先代に地代家賃を支払う方法です。
①メリット
・登記手続き等が発生しない。
・後継者の経費としながら、先代の収入とすることができる。
・将来、先代の配偶者が相続したときに、相続税の優遇措置が適用できる。
②デメリット
・先代と後継者が生計を一にしている場合には使用できない。
・先代が不動産所得の申告をする必要がある。
・先代の資産が増えていくため、相続税が増加する。
(2)先代から無償で借りる方法
名義は先代のままで、後継者が先代からタダで土地・建物を使用させてもらう方法です。
①メリット
・登記手続き、家賃の支払い等の手間がない
・先代と後継者が生計を一にしている場合、相続税の優遇措置が適用できる。
②デメリット
・先代と後継者が生計を一にしていない場合には、相続税の優遇措置が全くない。
(3)先代から購入する方法
後継者が先代に代金を支払い、名義を先代から後継者へ変更する方法です。
①メリット
・他の親族が医院の土地・建物を相続することを防げる。
②デメリット
・後継者が購入代金を用意する必要がある。
・登記手続き等が発生する。
・先代に譲渡所得税が発生する可能性がある。
(4)先代から贈与してもらう方法
後継者から先代がタダで土地・建物をもらい、名義を先代から後継者へ変更する方法です。
①メリット
・他の親族が医院の土地・建物を相続することを防げる。
・贈与税の優遇措置が使用できれば、贈与税がかからない。
②デメリット
・贈与税の優遇措置が使用できなければ、多額の贈与税が発生する。
・登記手続き等が発生する。
先代や後継者の資産の状況、ご家族の関係などで、選択すべき方法は様々なものとなります。代替わりの際に、土地・建物の扱いにお悩みになりましたら、是非ご相談下さい。