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事業承継時のスタッフの引継ぎ

2024.01.22
開業中の方 事業承継でお困りの方

事業承継の際に、スタッフとの雇用関係がどうなるかについて解説します。

個人医院(開設者が個人)と医療法人(開設者が法人)で取扱いが異なります。

 

①個人医院の場合

 個人医院の場合は、開設者が変更になることに伴い、スタッフとの雇用関係も一旦リセットされることになります。前院長(前開設者)と新院長(新開設者)の取り決めで、スタッフを継続雇用する場合にも、スタッフは旧医院を一旦退職することになります。

 退職金の算定となる勤続年数や有給休暇の残日数は、法律上は引き継がれませんので、旧医院で退職金等の定めがあれば、精算するのが良いでしょう。

 有給休暇は勤続年数に応じた付与日数となるので、新医院で改めて雇用されたと考えて、6ヶ月勤務後に年10日付与されるのが原則となります。したがって、6ヵ月間は有給休暇が取得できないことになります。このあたりの取り扱いをどうするかは医院によって異なるでしょう。

 なお、基本的には同条件で雇用を継続することが多いとは思われますが、新しく雇用契約を結ぶことになりますので、勤務時間や手当、福利厚生等は承継を機に変更することも考えられます。

 

②医療法人の場合

医療法人の場合は、事業承継があった場合でも、スタッフと法人の雇用関係には変化はありませんので、雇用契約はそのまま継続されています。

経営者や院長が変わったとしても、雇用関係が無くなることはありませんし、条件面を変更することもできません。退職金や有給休暇等にも何も影響しません。