経営お役立ち情報 column

苦しい経営状態での昇給

2018.12.20
開業中の方

競争が激しく、人員確保も困難を極めている歯科業界。今いるスタッフの流出を防ぐためにも適切に昇給を実施し、スタッフの定着を図りたいものです。

しかし、売上減・経費増といった経営状況の中で昇給時期を迎えた場合、どのように対応すべきでしょうか?

経営状況が悪化しているからといって院長の独断で昇給を控えることは避けましょう。スタッフの中には「院長だけが利益を取りすぎているから昇給しない」と考える者もいるかもしれません。そういったスタッフが他のスタッフも巻き込み、スタッフ全体のモチベーションダウンにつながるのです。

まずは、スタッフに現在の経営状況の説明と、このままの状態が続けば昇給が実行できない可能性がある旨を伝えてください。そして、昇給を実行するために必要な売上アップ目標・経費削減目標を掲げ、スタッフ全員で共有しましょう。利益を上げるためにはスタッフの協力は必ず必要です。「昇給されないのは院長のせいだ」といった考えは排除し、スタッフ自身の給料を確保するためには何をすべきかということをスタッフ自身でも考えてもらえるような風土づくりが必要です。

このような風土が定着すれば、自然と経営状況も改善されているはずです。もし、なかなか経営状況が改善せず、昇給を実行するのが厳しいようであれば、昇給見送りはやむなしかもしれません。ただ、その場合は、スタッフのモチベーション低下をできる限り抑えるためにも、スタッフへ労いの言葉をかけたり、褒める部分は積極的に褒めてあげるなど、コストのかからないモチベーションアップ手法を実行していって下さい。