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完全予約制の医院で急患を断れるか

2018.09.13
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医療機関には正当な理由がない限り診療を拒否することができない応召義務があります。

では、完全予約制の医院では急患を断ることができるのでしょうか?

完全予約制というのは正当な理由になりませんので、可能な限り診療をする必要があります。では、医院はどのように対応すればよいのでしょうか。下記のポイントを押さえて対応するようにしましょう。

◎医院としての対応方法を決めておく

 その時々で対応が変わっていては、スタッフも患者さんも混乱しますので、医院としての対応を事前に決めておきましょう。基本的には予約の患者さんを優先したうえで、可能な範囲で対応するという考え方でいいかと思います。当日予約の空いている時間があればその時間に再度来院してもらうか、予約で埋まっている場合は後日の予約を取ってもらうようにしましょう。

◎院内マニュアルを作成しておく

 飛び込みの患者さんが来院したとき、まずはスタッフが対応することが多いと思います。マニュアルを作成しておき、不要な混乱を避けるようにしましょう。マニュアルには、予約の状況・症状の緊急性を確認し、院長に相談したうえで、緊急性に応じた対応を記載しておきます。

◎断る場合も誠意ある対応を心掛ける

 予約患者の診療などでどうしても自院での対応が難しい場合、ただ断るのではイメージが悪く、クレームにつながる可能性もありますので、誠意ある対応として、診療可能な他の医院を紹介することも検討してください。紹介できる医院はマニュアルに連絡先を記載し、すぐに連絡できるようにしておきましょう。