マンションの相続税評価額の見直し
「タワマン節税」と言われる、タワーマンションの相続税評価額と市場価格の乖離を利用した節税方法があります。現行の評価方法では、約65%のマンションの相続税評価額が市場価格の半額以下となっています。行き過ぎた「タワマン節税」につき、令和4年に最高裁で争われたことを受け、マンションの相続税評価額が見直されることとなりました。
〈見直し案〉
新相続税評価額(※1)=現行の相続税評価額×評価乖離率×0.6
評価乖離率=①×△0.033+②×0.239+③×0.018+④×△1.195+3.220
①:築年数
②:総階数÷33(1.0が上限)
③:所在階
④:敷地利用権の面積÷専有面積
※1)乖離率が約1.67以下の場合の新相続税評価額 … 現行の相続税評価額
乖離率が1.0未満の場合の新相続税評価額 … 現行の相続税評価額×評価乖離率
〈例〉
現行の相続税評価額:5,000万円
築年数:3年 総階数:25階 所在階:20階
敷地利用権の面積:20㎡ 専有面積:70㎡
新相続税評価額=5,000万円×3.32(※2)×0.6=9,960万円
※2) 3×△0.033+25/33×0.239+20×0.018+20/70×△1.195+3.220=3.32
例に挙げたマンションですと、現行のおよそ2倍の評価額となります。
非常に複雑な計算式となっていますが、分解すると、次のように考えることができます。
・新しいほど評価額が高くなる
・総階数が高いほど評価額が高くなる
・所在階が高いほど評価額が高くなる
今回の見直しでは、区分所有のマンションが対象となっております。一棟まるごと所有している場合には、今まで通りの評価額となります。