事業承継税制の対象とは?
2023.05.10
相続対策
自社株や事業用資産に係る相続税・贈与税の負担が大きくなることで、後継者への承継が円滑に行えないことがあります。事業承継税制では、一定の要件を満たすことで、これらの贈与税・相続税の納税が猶予・免除されます。
事業承継税制には法人版(自社株の贈与・相続)と個人版(事業用資産の贈与・相続)のふたつがあります。これらの制度の主な要件は下記のようになっています。
1.法人版事業承継税制
贈与者、被相続人
・代表権を有していたこと
・贈与の場合、代表権を贈与時に有していないこと
・同族関係者で50%超の議決権を保有していること
・筆頭株主であること
受贈者、相続人(後継者)
・贈与の場合、18歳以上であること
・贈与の場合、代表権を有していること
・相続の場合、相続開始から5月以内に代表権を有すること
・同族関係者で50%超の議決権を保有していること
2.個人版事業承継税制
贈与者、被相続人
・青色申告書を提出していたこと
受贈者、相続人(後継者)
・贈与者、被相続人の生計一親族であること
・贈与の場合、18歳以上であること
・事業用資産に係る事業に従事していたこと
上記のほか、細かな要件は定められておりますが、主なものは上記のようになっています。
これらの制度の適用を受けるためには、前提として「特例承継計画」を令和6年3月までに都道府県に提出する必要があります。特例承継計画は税理士等の認定経営⾰新等⽀援機関と共に作成します。事業承継に係る納税に不安がある方は、一度ご検討下さい。