相続税対策による節税効果
「相続税対策」とインターネットで検索すると、様々な対策案が出てきます。しかし、金額にしてどのくらいの効果があるのかについてはなかなか出てこないと思われます。今回は節税効果について事例を交えながらお話したいと思います。
1. 暦年贈与
年110万円の非課税枠の範囲内で少しずつ贈与していく手もありますが、元々持っている財産の金額が大きすぎると効果が出るまでに何十年もかかることも少なくありません。このような場合は、「贈与税としては払うが、トータルで払う税金を少なくする」ことを考える必要があります。
事例…財産:現金 2億円 法定相続人:子ども2人
①何も対策しない場合…相続税3,340万円
②2人に毎年500万円ずつ10年間贈与した場合
…贈与税970万円+相続税770万円=1,740万円
∴節税効果…①-②=1,600万円
2. 養子縁組
法定相続人を増やすことで基礎控除額を増やすと同時に、掛けられる税率を下げる効果があります。たいていの場合、孫を養子縁組にすることが想定されます。
◎事例…財産:現金2億円 法定相続人:子ども2人 他に孫が1人
①何も対策しない場合…3,340万円
②孫を養子縁組にした場合…2,460万円
∴節税効果…①-②=880万円
3. 不動産の購入
不動産の評価は路線価や固定資産税評価額を使用します。これらは時価に対して6割~8割程度に設定されていますので、資産価値をあまり落とすことなく評価額を下げることができます。
事例…財産:現金2億円 法定相続人:子ども2人
①何も対策しない場合…3,340万円
②2億円の別荘を購入する(相続税評価額は1億6,000万円)…2,140万円
∴節税効果…①-②=1,200万円
※事例は単純化したものです。法定相続人に配偶者が含まれていたり、現金以外の財産が含まれているような場合は税金が増減しますので、あくまでも参考としてください。