不動産の生前贈与
2020.08.26
相続対策
相続対策として不動産を生前贈与する場合にはメリット、デメリットがあります。
メリット
1.収益物件の場合には、収益を相続人に移転することができる。
収益物件から得られる金銭により相続財産が増えることになりますが、贈与することにより、増加を抑えることができます。また、その金銭を納税資金として確保することもできます。
2.将来、もめることなく不動産を承継することができる。
遺言書を作成してもめないように対策することもできますが、生前贈与の方が簡単かもしれません。
3.贈与時の評価額で承継できる。
値上がりする可能性がある不動産については、早く贈与することにより相続時の評価額ではなく贈与時の評価額で課税されるため節税効果があります。
デメリット
1.所有権移転のための費用がかかる。
登録免許税は相続の場合には固定資産税評価額の4/1000ですが、贈与の場合には10/1000になります。
また、不動産取得税は相続の際には課税されませんが、贈与の場合には2%~4%の税率で課税されます。
2.債務を負担付贈与とした場合には譲渡益により所得税が課税される可能性がある。
収益物件を贈与する際に、その取得に要した借入も引き継がせる場合には負担付贈与になります。
3.小規模宅地の特例による評価減は適用できない。
相続で取得した土地であれば小規模宅地の評価減により低い評価額で課税されますが、その評価減のない価格で贈与税が課税されるため税金が高くなる可能性があります。
なお、不動産の贈与の場合には相続時精算課税制度を使うのが有効なケースが多いです。