相続財産の国庫への帰属
2024.09.25
相続対策
相続手続
相続したものの遠方で用途もない土地が放置されるのを防ぐため、その土地を取得した相続人が一定の要件を満たした場合に、国庫に帰属させることができる制度が令和5年4月27日に開始されました。
1. 申請できる人
相続又は遺贈(相続人に対する遺贈に限る)により土地の所有権又は共有持分を取得した者が申請できます。
2.土地の要件
却下要件・不承認要件いずれにも該当しない土地であることが必要です。
却下要件・不承認要件に該当する主なものは下記の通りです。
・建物が建っている土地
・担保権が設置されている土地
・他人による使用が予定されている土地(道路、墓地など)が含まれる土地
・汚染された土地
・有体物(地上・地下問わず)や崖がある土地
3. かかる費用
土地の性質に応じた標準的な管理費用を考慮して算定した10年分の土地管理費相当額の負担金(最低20万円に土地の地目や面積に応じ加算)と審査手数料(1筆あたり1万4,000円)がかかります。
原野商法によって取得した山林(主に昭和30年代~50年代)や、投機目的で取得した観光地の別荘(主にバブル経済期)が、固定資産税を毎年払い続けるだけの「腐動産」になって処分に困る事例が近年多くなっています。少し費用はかかりますが、こうした土地があるのであれば、この制度の活用を検討してみるのもよいかもしれません。