遺言執行者の内容と報酬相場
2023.11.08
相続手続
遺言執行者とは、遺言書の内容にしたがい、故人の意思を実現する役目を担い、遺産の調査や、財産目録の作成・交付や財産の引渡をおこないます。遺言執行者を選任することで、相続手続きを円滑に進めることができますし、相続人の負担軽減や公正な遺産分割に寄与するでしょう。
遺言執行者は、遺言書で指定されることが多いですが、遺言書に指定がない場合でも、利害関係者が家庭裁判所に申し立てをすることで、遺言執行者を選任できます。遺言執行者の就任後、遺言執行者として果たすべき任務を怠ったり、不正の疑いがあるなどの場合には家庭裁判所へ解任を請求することができますが、私的な感情や遺言書に対する不満を理由に解任を請求する行為は認められていません。
未成年者や破産者でなければ遺言執行者に就任できますが、遺言執行者の役割には専門的な知識を要するため、通常は弁護士、司法書士、行政書士、税理士などの士業や信託銀行といった専門家が遺言執行者に就任することが一般的です。
上記のような専門家に依頼する場合は遺言執行者としての報酬が発生します。報酬は法律で決まっていないため依頼先により異なりますが、おおよそ相続財産の0.5%から2%が相場といえるでしょう。少々の負担が生じても円滑な相続手続きや相続人の負担軽減を優先する場合には遺言執行者の活用も検討してみても良いかもしれません。