被相続人の事業を相続する場合
2023.08.23
相続手続
被相続人が事業を行っていた場合など、一定の場合には準確定申告が必要なのはご存じかと思います。
準確定申告を終えて相続人が事業を相続する場合でも、基本的に財産の評価方法は通常の相続と変わりません。
私用・事業用の区別をせずに財産・債務の評価を行います。
ただし、土地に関しては事業を行っていた場合に評価額をより減算する方法があります。
事業用の土地を被相続人が保有しており、相続人が申告期限の期間が満了するまで事業用で利用していた場合には、小規模宅地の特例【特定事業用宅地】を適用することで400㎡までの敷地について、80%分を減額することができます。
他方で、不動産貸付業を行っていた場合の貸地は【貸付事業用宅地】に該当し、200㎡までの敷地について、50%分の減額と適用幅が異なりますので適用には注意が必要です。
債務について考えると、金融機関からの借入金や、付き合いの長い取引先への未払状況は把握しやすいのですが、特に事業拡大中で取引先を増やしているなどの場合には債務の計上が漏れてしまう可能性があります。
相続税の支払も重要ですが、相続した事業の債務を処理できないようであれば
相続して早々資金繰りに苦しむことになります。
事業を相続する人が財産・債務の把握をすることは確かに重要になります。
しかしそれ以上に、事業を遺していきたいとお考えの方々はご自身の事業を振り返ることで改めて現状を把握していただく事も重要です。
事業が大規模になっている場合などは、法人化など資産をスムーズに引継げる方法を検討してもいいかもしれません。