相続・贈与Q&A(胎児の相続権、同居と生計一)
2023.01.25
相続手続
相続税
Q1.妊娠8か月の胎児がある場合、相続権はありますか?
A1.胎児は、民法の規定上「相続については既に生まれたものとみな」されるため、妊娠中に相続が発生した場合において、相続権はあるものと認められます。(民法886条)
ただし、死産になった場合には相続人ではなかったことになります。
また、民法上の相続権は認められるものの、相続税法上はいないものとして取り扱われます。
したがって、申告時点までに生まれていなければ相続税の計算には含めず申告を行います。
その後、無事に生まれた場合には相続税の再計算が必要になります。
法定相続人が増えることになり、多くの場合において相続税が減額されることとなりますので、生まれた日からの翌日から10か月以内であれば更正請求(還付請求)をすることができます。
Q2.同居と生計を一にしているの違いはなんですか?
A1. 「同居」とは文字通り、同じ所に住んでいる事を指します。
サラリーマンの親子で、お互い自立して生活が出来る程度の収入があっても
同じ家に住んでいれば「同居している」状態になります。
「生計を一にする」とは、必ずしも同居を要件としていません。
単身赴任や子供の下宿など、きっかけは様々ですが同居していない場合でも生活費や学費、入院治療費などが送金されているのが常態であれば生計一である、といえます。
逆に、同居していたとしてもお互いが明らかに個々の収入に基づいて生活している場合には生計一ではない、とみなされるでしょう。