相続税の更正の請求とは、当初申告した相続税額に誤りなどがあり、過大に税金を支払っている場合に、その納め過ぎた金額を還付してもらう手続きをいいます。相続税の更正の請求期限は、原則として相続税の申告期限から5年以内となっています。ただし、特別の事情がある場合には、5年という期限によらず、特別の事情発生から4カ月以内が期限となります。

相続税の更正の請求がされる主なケースは、相続税の申告時に遺産分割協議書がまとまっておらず未分割で申告をし、後に分割協議がまとまった場合です。当該ケースは特別の事情に該当しますので、分割協議がまとまった時から4カ月以内が更正の請求の期限となります。

申告期限までに遺産分割協議がまとまらなければ、未分割で申告を行うことがあります。未分割で申告をした場合には、「配偶者の税額軽減」や「小規模宅地等の特例」といった相続税の特例の適用を受けることができず、納税額が高額になる恐れがあります。

ただし、当初の相続税の申告時に「申告期限後3年以内の分割見込書」を合わせて提出し、3年以内に分割することができた場合には、当該特例の適用を受けることができます。分割見込書の提出をしなかった場合は、当該特例の適用が出来ないので注意しましょう。