相続人に未成年者がいる場合の留意点
2021.12.22
相続手続
相続税
まず、相続税の未成年者控除です。法定相続人であり相続開始日に日本国内に住所がある(一定の者を除く)未成年者が相続又は遺贈により財産を取得した場合には、その未成年者の相続開始時の年齢から成年に達するまでの年数に10万円を乗じた金額が相続税から控除されます。
留意点としては以下の通りです。
・成年とは2022年3月31日までは20歳以上、2022年4月1日以降は18歳以上をいいます。
・未成年者が法定相続人であっても財産を取得しない場合には未成年者控除の適用はありません。
・未成年者控除額が未成年者の納税額から控除しきれない金額がある場合には、その未成年者の扶養義務者※から控除します。
※扶養義務者とは配偶者、直系血族、兄弟姉妹のほか、家庭裁判所の審判を受けて扶養義務者となった三親等内の親族や三親等内の親族で生計を一にする者をいいます。
続いて、未成年者がいる場合の分割協議ですが、未成年者は単独で法律行為をすることができませんので、遺産分割協議に際しては法定代理人(親権者)の同意を得る必要があります。
ここで、法定代理人(親権者)がその未成年者との共同相続人である場合には、利益相反となるため親権者以外の特別代理人を家庭裁判所で選任する必要があります。
特別代理人に特段の制限はないものの、未成年者の親族が選任されることが多いでしょう。
なお、上記の手続きは煩雑で時間も要しますが、遺言で相続の内容が明示されている場合や法定相続分通りに相続する場合には、代理人の選定は不要となります。