法務局における遺言書の保管
2021.08.04
相続対策
相続手続
自筆証書遺言に係る遺言書は一般に自宅に保管されています。しかし、自宅保管では、下記のような問題点があります。
- 遺言書が紛失・亡失するおそれがある。
- 相続人により遺言書の廃棄、隠匿、改ざんが行われるおそれがある。
- これらの問題により相続をめぐる紛争が生じるおそれがある。
そこで、法務局で遺言書を保管する制度が令和2年7月10日に施行されました。もちろん保管は義務ではありませんので、保管するか否かは遺言者の自由です。
自筆証書遺言書の保管制度のメリット
- 遺言者が死亡して相続開始後に、遺言書の証明書の交付請求・遺言書の閲覧請求ができます。
- 相続人の一人に遺言書の証明書を交付したり遺言書の閲覧をさせた場合、他の相続人に遺言書が保管されていることが通知されます。
- 法務局で保管されているため、検認の手続きが不要になります。
自筆証書遺言書の保管制度の留意点
- あくまで自筆証書遺言書が保管されているだけであるため、内容まで細かくチェックされていません。適正な遺言書が作成できていない場合は、後日紛争が生じる可能性もあります。
- 法務局で保管の申請ができるのは、遺言者本人のみとなります。
有効に活用すれば、遺言書の紛失や隠匿等の防止、遺言書の存在の把握が容易になるという効果が得られます。