個人事業を承継した場合の手続き
2021.05.12
相続手続
個人事業を営んでいる被相続人の場合、その事業を丸ごと相続人が承継することが多いかと思います。しかし、申告する単位は事業ごとではなく個人ごとになるので、被相続人が税務署に提出した届出の効力が引き継がれることはありません。実質的には、被相続人が廃業する手続きと、相続人が開業する手続きの二段階が必要となります。以下では主に必要な手続きを取り上げます。
1. 被相続人に関するもの
・廃業届出書
・青色申告の取りやめ届出書
・事業廃止届出書(消費税の課税事業者だった場合のみ)
最初の2つは所得税に関するもの、事業廃止届出書は消費税に関するものです。
2. 相続人に関するもの
・開業届出書
・青色承認申告申請書
・その他 消費税に関する届出書(課税形態によって提出すべきものが変わります)
青色承認申告申請書は死亡の日から一定期間内に提出しないと、1年目から適用を受けられない制約があるので注意が必要です。また、個人事業者に消費税の納税義務が生じるのは、通常早くても事業開始から3年目以降ですが、相続があった場合の判定は被相続人の課税売上高も使用するため、1年目から納税義務が生じる場合もあります。