生前の相続放棄
2020.05.27
相続対策
相続手続
相続放棄とは、相続人が相続を辞退することをいいます。一般的には被相続人の債務が多いときにマイナスの財産を相続しないためにとか親族との関係性から相続には関わりたくないなどの心情的な問題がある場合に適用されます。
では、掲題にあるように生前の相続放棄はできるのでしょうか。結論から言いますと生前に相続放棄はできません。相続が発生していないからです。そこで、生前の相続放棄に代わる方法としていくつかご紹介します。
①遺言書の作成
特定の相続人に相続させたい場合は遺言書を作成しておくことが有効です。
ただし一定の法定相続人には遺留分減殺請求権を使えば相続する権利を主張する事が出来るため、必ずしも遺言書の通りに相続されるとは限りません。
②遺留分の放棄
遺留分放棄とは、一定の法定相続人に認められる最低限の相続財産の取り分をあらかじめ放棄することです。被相続人の死後でも行うことができますが、被相続人が生きている間にも行うことが可能です。
③生命保険の活用
債務が多く相続放棄をした場合には、その相続については無関係になります。負債からは逃れられますがその代わりに相続財産を相続する事もできません。しかし、死亡保険金は受取人の方の個人の財産となり「相続財産」とはなりません。したがって家族は借金については相続放棄を行い、保険金は受取れるといった活用方法が考えられます。
生前の相続放棄は出来ませんが、状況に応じて事前に対策することは可能です。
相続放棄をお考えの方は生前からの準備を是非お考え下さい。