代償分割
2019.07.15
相続手続
相続財産が現金や預金だけなら、相続人で協議して簡単に現物分割することができます。
しかし、相続財産のほとんどが不動産であったりすると現物分割しにくい場合があります。その場合には「代償分割」がよく利用されます。
代償分割とは、遺産の分割に当たって相続人の1人もしくは数人に相続財産を現物(不動産)で取得させて、その現物を取得した人が他の相続人に対して代償金としての金銭を支払って調整する方法をいいます。
代償分割で注意しておくべきことは下記のとおりです。
①代償金は相続税の課税対象となります。
相続税が発生する場合は、課税価額は下記のように計算します。
【代償分割を行った人(支払う人)】
相続により取得した財産-代償分割で支払った価額
【代償分割を受けた人(もらう人)】
相続により取得した財産+代償分割で支払った価額
②代償金の支払いは、贈与と区分がつかないため、代償分割である旨を記載した遺産分割協議書を作成しておく必要があります。
記載がない場合は、贈与税のリスクがあります。
③代償金が適切に支払われるかどうか検討する必要があります。
代償を行う人の資金背景や財源などを確認のうえ確実に履行されるか検討しましょう。
通常は一括払いですが、分割で代償金を支払うことも可能です。支払方法も遺産分割協議書に記載しておきましょう。