民法改正
2018.11.15
相続手続
約40年ぶりに相続法を改正する法律が成立しました。
主な改正内容は以下の通りです。
1.配偶者居住権の創設
配偶者が住んでいる自宅の居住権を取得すれば、所有権が別の相続人等に渡っても住み続けることができます。また、相続発生時から最低でも6か月間は無償で自宅に住み続けることができる「配偶者短期居住権」も創設されました。
2.住居の遺産分割の対象からの除外
婚姻期間が20年以上である配偶者から贈与・遺贈された住居は、遺産分割の計算対象から除外されたため、配偶者はより多くの財産を取得することができます。
3.金融機関の仮払い制度の創設
現状では、銀行口座等は凍結してしまい、遺産分割が終了するまでの間は払戻しすることができません。生活費や葬儀費用の支払、相続債務の弁済などの支払いなどの資金需要に対応できるよう、遺産分割が終了する前でも払戻しをしやすくなります。
4.自筆証書遺言の方式緩和
現状では、自筆証書遺言の全文を自書する必要があります。改正により、自書によらずパソコン等で作成した目録や銀行通帳のコピーなどを目録として添付できるようになります。
5.相続人以外の特別寄与料請求権の創設
相続人以外の親族が、被相続人の看護等に尽力した場合、一定の要件のもとで、相続人に対して金銭の支払いを請求することができます。
ただし、事実婚や内縁など、戸籍上の親族でない人は従来通り請求できません。
この改正によって相続が大きく変わります。
円満で円滑な相続を迎えるために、ぜひ内容を記憶に留めてください。