倒産防止共済と小規模企業共済の死亡時の取扱い
中小企業や個人事業主の節税対策としてよく使われるものとして、倒産防止共済と小規模企業共済があります。
どのような制度であるかは中小企業基盤整備機構のホームページをご覧いただければよいのですが、
今回は「もし契約者が亡くなったら、これらはどのように取り扱われるのか?」を取り上げたいと思います。
1.倒産防止共済
(1) 個人事業主の場合
相続により事業を承継する方がいれば、一定の手続きをすることで、加入者である相続人が契約者としての地位を承継することができます。
この場合、課税関係は生じません。
一方、事業を承継しない場合は死亡時点で解約されたものとみなされ、通常の解約と同様、事業所得の収入金額に算入されます。
そのため、死亡年の所得税の準確定申告に反映させる必要があります。
また、解約手当金は相続発生時点では未収入金扱いとなるため、相続税においても課税対象になります。
なお、この解約手当金は契約者の相続人であれば誰でも受け取る権利があります。
(2) 法人の場合
個人事業主の場合と違って、たとえ代表者以外に従業員がいない法人であっても、
代表者の死亡そのものは解約事由にあたらないため、法人に対して課税関係は生じません。
ただし、大多数の中小企業では代表者がその法人の株主となっていると思われます。
その場合、その法人の株式が相続財産となりますが、株価を純資産価額方式で評価する際、解約返戻金相当額を考慮する必要があります。
特に掛金が上限の800万円に達してから相当の期間が経過している場合、
直近の決算書だけでは倒産防止共済に加入していることに気づかないケースがあるので注意が必要です。
2.小規模企業共済
契約者が個人事業主か法人の役員かを問わず、死亡退職金として共済金が支払われます。
みなし相続財産として取り扱われるため、相続税においては500万円×法定相続人の数を非課税限度額として課税対象となります。
契約者が法人の役員で、その法人からも別で死亡退職金を受け取る場合は、その分と合算した上で非課税枠との比較になります。
また、倒産防止共済と異なり、受取人は小規模企業共済法によって指定されています。
具体的には、配偶者→子→父母→孫…という順です。
現金の手取り額を相続人間で調整したいという理由で、
一旦受け取った上で他の相続人にまとまった金額を分配しようと考える事例が散見されますが、これは相続人間の贈与にあたるので注意が必要です。
また、死亡保険金と同じように、たとえ相続放棄をしていたとしても相続人の固有財産として共済金を受け取ることができます。

