京都・からすま相続相談センター

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戸籍とは

2025.11.10
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令和7年5月26日に戸籍に氏名のふりがなが記載される制度が開始されました。
同日以降、記載される予定のふりがなを確認すべく、本籍地の自治体から通知が届いていると思います。
誤りがないかを確認することはもちろん必要ですが、今回はそもそも戸籍とは何のためにあるのか、どういうときに必要になるかをまとめました。

1. 戸籍とは

 日本国民が出生してから死亡するまでの身分関係を登録し、公に証明するための公簿です。
昭和23年の戸籍法改正以来、「一組の夫婦と姓を同じにする未婚の子」を単位として作られ、次の事項が記載されます。

・本籍地
 戸籍がある場所です。住民票に登録されている住所とは関係なく、同じにする必要もありません。
・筆頭者
 戸籍の最初に記載されている人です。婚姻の際に夫の氏を名乗ることにした場合は夫が、妻の氏を名乗ることにした場合は妻が筆頭者になります。
・筆頭者以外の親族
 同じ戸籍に入っている人が全員載っています。婚姻や死亡によって戸籍から外れた人がいても、「除籍」と表示されるだけで、その戸籍に入っていた事実そのものは残ります。載っている人全員が抜けたものを「除籍簿」といいます。
・異動事項
 後述する異動事由が生じた場合はその事実と日付が記載されます。

 

2. 戸籍が異動する主な場合

・婚姻する場合
 新たに一組の夫婦が生じるため、戸籍が増えることになります。本籍地を異動前と同じにしたい場合でも新たに作成されます。
・離婚する場合
 筆頭者の場合は離婚しても離婚の事実が記載されるだけで異動しません。一方筆頭者でない場合は、次のいずれかになります。
 婚姻前の戸籍に戻る(元の戸籍に自身以外に残っている人がいる場合のみ選択可)
 新たに戸籍を作成する(元の戸籍に自身以外残っている人がいない場合や、結婚時の姓を継続使用したい場合)

・分籍する場合
 婚姻しない場合でも自らの意思で親と戸籍を分けることもできます。親子関係がなくなって相続権が消滅することはなく、分籍後に他の異動事項が生じても親の戸籍に記載されないメリットがあります。ただし、親の戸籍には原則として戻れなくなります。
・転籍する場合
 上記の3つのケースでは異動するタイミングで本籍地を自由に選択できますが、いずれにも該当しないタイミングでも本籍地を移すことができます。例えば、自宅を購入したタイミングで自宅を本籍地にしたい場合がこれに当てはまります。

 

3. 本籍地とは
 
 実際に住んでいなくても、日本に存在する地番であれば、好きなところを選ぶことができます。次のような場所を選ぶ人が多いそうです。
 ・自宅の住所…家を購入した人
 ・夫婦どちらかの実家の住所(筆頭者に合わせなくてもよい)…結婚したばかりの人
 ・店の住所…個人事業主、法人の社長
 ・思い出の場所…プロポーズした場所、産まれた病院など
 ・ランドマーク…皇居、大阪城、阪神甲子園球場など
 また、引っ越した場合、住民票を異動させる必要がありますが、本籍地を異動させる必要はありません。

 

4. どういうときに必要になるか

主に次のタイミングで必要になります。
・相続関係
 公正証書遺言書作成、不動産の相続登記、被相続人の預貯金・サービス等の解約
 株式や自動車の名義変更、相続放棄、生命保険金請求
 税務署への書類提出(相続税申告、贈与税の相続時精算課税制度の初回申告)
・戸籍の異動関係
 2.の異動事由が生じた場合に加え、氏名変更、養子縁組など
・その他
 パスポートの作成、家系図の作成など
 
特に相続関係の場合は、出生してから現在までのすべての戸籍を確認する必要があります。
最近になって広域交付制度が開始され、本籍地に行かなくても戸籍が取得できるようになりましたが、
古い戸籍の場合はこの制度で取得できない場合もあります。

そのため、本籍地を自由に選べるからといって、
あちこちに移すとのちに相続人が手続きするのに手間がかかるというデメリットが生じるので注意が必要です。

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