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スタッフの減給や退職推奨の注意点

2018.10.11
開業中の方

歯科医院は年功序列の意識が高い業界ですので、どうしても能力に関係なく在籍年数に応じて給与が高くなる傾向にあるように思います。ただ、在籍年数が長くても能率の悪いスタッフに高い給料を支払い続けるのは、院長や他のスタッフからしても不満があるのではないでしょうか。そのようなスタッフに減給や退職を考えるにあたっては、下記のポイントに注意して対応しましょう。

 

◎話し合いは客観的に行う

 まずは、改善に向けて本人と面談の場を設けてください。面談の際には、客観的に示すデータや根拠を用意しましょう。漠然と仕事が遅い・成長しようと言うだけでは、スタッフも納得せず話し合いが平行線になる可能性があります。話し合いの結果で改善していくとなった場合、「いつまでに○○ができるようになろう」といった行動計画と期限を設けて、同じ状況が長引かないようにしましょう。

 また、話し合いの場に第三者(税理士や社労士)を同席させることは、「言った言わない」の無用なトラブルを避けるのに効果的です。

 

◎能率の悪さを理由に解雇はできない

 解雇には客観的に合理的で、社会通念上相当な理由が必要となります。医院側に求められるのは、そのスタッフに対し改善矯正を促し、努力反省の機会を与えたかです。これらの対応をせずに解雇した場合、不当解雇に該当する可能性がありますので、まずは就業規則の解雇規定を確認するようにしましょう。

 

◎能力に応じた評価制度と賃金体系にする

 完全な年功序列にならないような評価制度と賃金体系にしておけば、減給や退職推奨の必要性が生じたときも対応しやすくなります。また、能率を重視した評価制度とすることで効率的に業務をこなしているスタッフのモチベーションにもつながります。ただし、極端に能率重視にしてしまうとスタッフが定着しない可能性もありますので、バランスを考えて作成するようにしましょう。評価制度は作りこみが必要となりますので、専門家のアドバイスを受けるようにしてください。