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パートにも有休を付与しないといけない?

2022.01.10
開業をお考えの方 開業中の方

 有給休暇は大企業の社員でも、小さな飲食店の従業員でも等しく付与されるものです。

よく「パートだし有休は付与しなくてもいいのでは?」という先生もいらっしゃいますが、それは誤りです。条件に合致する従業員がいた場合、先生が指定しなくても付与されるものです。

 

一般的には以下の条件を満たした従業員が対象です。

①雇い入れの日から6カ月経過している

②その期間の8割以上出勤している

対象の従業員は10日の年次有給休暇が付与され、1年ごとに付与日数が増えていきます。

パートの方ですと、例えば週3日勤務の場合付与される日数は5日となりますので注意が必要です。

ここで有給休暇についてよくある質問をご紹介したいと思います。

 

Q.余った有休は買い取りできる?

A.原則は禁止。ただし一定の要件で買い取りできる場合もある

 有休は従業員のリフレッシュを目的として制定されているので買取を行ってしまうとその目的に反することになります。

ただし以下の場合は買取が認められます。

 ・有休日数を規定以上に付与している場合の余り

  例えば有給10日を付与されるはずが、福利厚生で15日付与しているとなった際に、使い切れなかった5日分は買取が可能です。

  ・有給休暇有効期限の2年を過ぎた場合

・退職までに消化できなかった日数

 

Q.忙しい時に従業員が有休申請を出してきたが拒否できる?

A.合理的な理由があれば、別の日に変更することは可能

 基本使用者側は有休申請を出されると拒否することはできません。その代わり、繁忙期で休暇をとられると仕事に支障が出る等の理由があれば、「時季変更権」を主張することができ、他の日への変更ができます。ここで注意しておきたいのが、「拒否」ではなく「変更」するという点です。拒否してしまうとどんな理由があっても違反となりますので気を付けましょう。

 

 パートに有休休暇が付与されることを知らない方もいますので、新規採用の際に「パートでも有給休暇完備しています」と記載することでアピールにもつながります。他にも採用のアドバイス等もできますのでお気軽にご相談ください。