歯科衛生士・歯科助手の退職金
院長先生からよく聞かれる質問の1つに「退職金っていくらぐらい出せばいいの?」というのがあります。
また最近は、求人の際、福利厚生がしっかりしている医院の方が応募が多いという話も聞きますので、退職金制度の有無もよいスタッフを長く維持するための1つのポイントかもしれません。
そこで、今回は退職金について解説いたします。
退職金は絶対に支給しなければいけないというルールは特になく、各医院の規程や雇用契約、経営状況によって自由に決めることができます。
また支給形態も、国の共済制度を利用する方法もあれば、退職時に直接医院から本人に一時金を渡す方法もあります。
まず前者の共済制度を利用する方法ですが、よく使われるのが「中小企業退職金共済制度」(中退共)です。
これは、医院はスタッフごとに月々掛金を中退共本部に支払い、そのスタッフが退職した場合は退職金が直接本人へ振り込まれる仕組みとなっています。
掛金月額はスタッフごとに選択ができ、もちろんその掛金は経費となります。
掛金の一部は国からの助成があり、退職時の資金負担を分散することができるためスタッフが定着している医院にとってはよい制度ですが、反面、掛金納付が2年未満の場合は掛金相当額を下回る額になるというのもありますので、加入の際は制度内容をよく理解しておく必要があります。
詳細は下記をご覧ください。
https://chutaikyo.taisyokukin.go.jp/seido/index.html
次に、特に共済制度を利用せず、退職時に一時金として退職金を支給するケースですが、難しいのはその支給額をいくらにするか…です。
支給のルールは医院によってまちまちですが、イメージとしては下記のパターンが多いようです。
- 月給(基本給+手当)×1~4ヶ月分
- 基本給×(勤続年数×支給率3~0.7)×退職事由係数(自己都合退職)0.8
- 歯科衛生士の退職金相場
勤続年数5年未満 5万~15万円
勤続年数5年~10年 10万~80万円
勤続年数10年~15年 80万~150万円
- 歯科助手の退職金相場
勤続年数5年未満 0~15万円
勤続年数5年~10年 5万~40万円
勤続年数10年~15年 40万~100万円
上記はあくまでも私見ですが、一般的に勤続年数3年未満は支給無しとしているところが多いようですね。
いずれにしても、よいスタッフを確保し続けるとことが医院経営を安定させる重要な要素でもありますので、何かしら退職金ルールをあらかじめ決めておくことをおすすめします。